デザインモデルにかける想い
デザインモデル、もしくはデザインモック、我々のような試作会社では当たり前のように使用している言葉ですが、一般の方には衆知されていないのではないでしょうか。
デザインモデル=外観は製品と全く同じで、動くことのない形だけの製品。
しかし、実は普段何気ない日常で「デザインモデル」は一般の人が目にすることが多々あります。
電化製品等の製品カタログを見たことありますでしょうか?
実はあの写真はデザインモデルであることが多いのです。
メーカー側は他のメーカーより少しでも早く新製品を出して、より多くの人に知ってもらい、多くの人に購入してもらいたい。
なので、商品開発と新商品を紹介するカタログを同時に製作して、製品開発とプロモーションのタイムロスを少しでもなくそうと努力します。
製品ができるのと同時に製品カタログも出来上がる。
撮影する製品がデザインモデルであるのはそれが理由です。
カタログの製品は当然販売される製品です。その製品ができるまでに何台もの採用されなかったデザインモデルが存在します。
何度も形状確認のモデルを作製して、形はもちろん色、材質、
メーカー側と試作会社側が納得するまで作製します。
しかも限られた期間で納期も当然ありますし、厳しい状況になる事は多々あります。
加工が上手くいかなかったり、良い色が出なかったり、試作会社の中でも営業とデザイナー、職人とで、お互いの想いがぶつかる事もよくあることです。
しかしそれでも、試作会社はメーカーの為はもちろん、自分の為、会社の為、社会全体の為に新製品のデザインモデルを作製します。
そして運よく選ばれたデザインモデルが製品となります。
想いが一つになったデザインモデルは美しく、製品にも見劣りしません。
試作会社はデザインモデルが出来上がった時は達成感があり、実際に製品が店頭に並んでいるのを見たときには、とても嬉しい気持ちになります。
我々の会社では「世界で初めての一つを創る」をモットーに活動しておりますが、
その一つを創るには何十人、時には何百人の想いがあってこそ出来上がる一つなのです。