試作品づくりに欠かせない!加工技術3種類を解説
医療用器具・プラスチック、自動車部品、家電製品を量産する前に性能や強度などの検証を行ううえで欠かせないのが試作品です。しかし、製品の検証材料となる試作品がどのような技術を用いて作られているかをご存じでない方も多いでしょう。今回は、試作品の発注を検討中の企業担当者様を対象に、試作品製作に欠かせない3種類の加工技術を紹介します。
紙や繊維を強化・改善「樹脂加工」
樹脂加工とは、紙や繊維の表面に樹脂を施すことで、機能を強化・改善するための技術のこと。紙の防しわ性や、布の耐水性・耐熱性を上げるために用いられます。
樹脂加工に使われる「樹脂」は天然樹脂と合成樹脂の2種類に分類されます。植物から分泌されるヤニ状の物質から作られるのが「天然樹脂」、石油から人工的に作られるのが「合成樹脂」です。
樹脂加工の種類
・成形加工
成形加工は、熱を加えることで軟らかくした樹脂を型にはめ、膨らませてから押し出す手法です。型を作成するので大量生産に向いています。製品の形状によって細かい加工法は異なります。
・切削加工
切削加工は、樹脂を機械で切り出す手法のこと。少量生産向きでより複雑な形状の加工や、高精度な加工に対応できるのが特徴になります。主に医療機械や産業用機械の部品に使われています。
樹脂加工の技術を使った試作品製作の例
医療用器具、医療機械部品、食品機械部品、液晶製造装置部品 など
加工方法が幅広い「金属加工」
金属加工は、金属が持つ「塑性(力を加えて変形させたときに、元に戻らず変形させたままになる性質)」を利用し、製品を製造する技術のこと。金属は削るだけでなく、たたいたり溶かしたりする加工も施せます。非常に加工の幅が広い素材のひとつです。
金属加工の種類
・機械加工
機械加工とは、専用の機械を用いる加工法です。機械加工は主に「成形加工」「除去加工」「付加加工」「仕上げ加工」の4種類に分類されます。
・熱処理加工
熱処理加工とは、金属に熱を加えることで、金属に硬さや靭性を付与する加工法です。熱の加え方は「全耐熱処理」「表面熱処理」の2種類があります。
・表面処理
表面処理は、金属の表面に保護膜を作り、潤滑性能や耐蝕(たいしょく)性を付与する処理法です。「電気化学処理」「塗装」「物理的表面処理」の3種類に分類されます。
金属加工の技術を使った試作品製作の例
医療用器具、家電製品、建築材料 など
切断や折り曲げで製品を形成「板金加工」
板金加工は、金属の板材を切断・折り曲げて任意の形状に変形させる技術です。板金加工を施すことで、素材の強度上昇・軽量化といった効果が得られます。技術を適用できる範囲も広く、多くの金属製品に使われているのが特徴です。
板金加工の種類
・プレス加工
プレス加工は、専用の金型を使って、板金を型と同じ形に変形させる加工法です。単純な形状の製品や、大量生産したい製品に適しています。専用の金型製作の必要性から初期費用・時間を要しますが、生産時間とコストを抑えやすい点が特徴です。
・精密板金
精密板金は汎用(はんよう)の金型を用いた板金機械を使う加工法です。立体的な加工にも対応できます。工具の付け替えなど手動の作業が必要になるため、少量~中量生産の製品向きです。
・手板金加工
手板金加工は、板金をハンマーなどでたたく加工法です。プレス加工や精密板金では製作できない、複雑な形状にも対応でき、少量生産・完全受注品などでのオーダーが多い傾向にあります。
板金加工の技術を使った試作品製作の例
建築材料、工業製品、看板 など
医療用器具、美容・健康器具の試作品製作はアートウインズにご相談ください
株式会社アートウインズでは、医療用器具・医療用プラスチックを始め、自動車部品から美容・健康器具、事務用品まで、幅広い試作品製作に対応可能です。今回紹介した樹脂加工、金属加工、板金加工を使った試作品製作にも対応しています。試作品製作のことなら大阪の試作品会社・アートウインズにお任せください。